町田市に建設が計画されている『包装容器処理施設』は化学物質過敏症の危険があるとして町田市だけでなく南大沢の住民の間でも急速に反対運動が起こっています。ことの起こりは町田市が住民への説明責任があるにも関わらず、これまでの2度の反対運動による建設中止の轍を踏まないためか、今回はごく一部の住民に知らせただけで、最近まで最も施設から近い八王子市の四季の丘(配布ビラあり)の住民や町田市でも小山地区の一部の住民以外何も知らせませんでした。町田市は市の条例に従い、説明会を開いたあと建設を強行しようとしている節が見え隠れします。小山地区の連合会
の運動もあり、今回2回目の説明会を開くに至りました(9月28日の1回目の説明会は、施設の受注業者轄イ久間主催(調査情報)によるもので、行政側が参加せず不成立に終わっています)。当日の町田市が用意した配布資料はこちら(ZIPファイル)です。 10月26日に決済が行われ東京都から業者に土地が引き渡されることになっており、引渡しが行われる前に阻止したいという住民側の強い危機感から、着席300人の小山市民センターに会場内だけで1000人以上、会場から溢れた参加も多数で、町田市、八王子市、相模原市、多摩市から多数出席しました。夜7時の開始でしたが、6時30分の時点で用意された席は満席となっていました。7時前に市の職員が登場しましたが、まだ顔には余裕が見られました。しかし、開始と同時に怒号の嵐で、市役人(右下の左人物)の司会の役割は最後まで機能しませんでした。 注:報道的にこの会をレポートしていますが、プライバシー保護のため、一部の写真をぼかしてあります。 |
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左下写真は午後6時30分ごろ。右下は7時をまわったところです。300人収容の施設が7時の段階では3倍以上の人数が出席したと思います。9時を過ぎたころは1000名は優に越えていました。7時の開始当初から怒号が飛び交う状態で、すぐに会議の主導権は住民側に握られていました。 |
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説明会としてこの集まりが成立すると、町田市の条例の考え方からか建設計画が強行されないと危惧し、説明会ではなく「懇談会」という名称に変更要求が住民より出され、市側がそれを受け入れたため、懇談会という名称で会は進行していきました。 市側は何度か説明を行おうとしていましたが、発言するたびに批判の合唱が起こり、しばしば説明が中断しました。 この懇談会を引っ張っていったのは町田市の教師(下左)と八王子市の大学教授(下右-作成資料あり)、それからベルコリーヌ南大沢在住の大学教授と偶然か教職につく人たちでした。行政側に対する質問もかなり過激な発言が散見されましたが、ポイントをついた反対意見で、一環して26日の(株)佐久間への引渡しを阻止する意思が感じられました。 |
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市民側から処理施設を請け負う予定の轄イ久間の社長(右下写真)に対して、土地の引き取りの中止を考えていないかの質問が出ましたが、佐久間側はあくまでも「粛々と進めていく」という回答で、出席者から多くの怒号や野次を受けていました。最後の方では参加数名が佐久間の社長を壇上に上がるよう強制する一悶着も起こりました。ここは進行役のリーダー格の大学教授から住民をなだめる声が入り、事なきを得ました。 佐久間の社長の回答を得るまでもなく、最初からこの会は住民側の怒りが炸裂した場であったため、話し合いが成立する雰囲気ではありませんでした。市側は住民側の怒りやパワーを低く見積もっていたのではないか(賛成派を少なく参加させたことも考え合わせれば)と思いました。 |
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行政側(町田市)は、26日の轄イ久間への土地の引渡しは都と佐久間間での問題で、町田市は干渉できないと発言しましたが、ある住民は、内部資料のようなものを見ながら、施設建設の公募から業者選定まで、中心的に動いていたのは町田市の清掃事業部であり、町田市が佐久間に引渡しの中止に対する影響できるという見解を紹介しました。しかし、清掃事業部事業部長の鬼頭氏(写真左下のマイクを持った人物)は、あくまでも市の問題ではないと苦しい弁解に終始していました。当初自分は責任者で出席していると明言したにも関わらず、中止の話になると中止をする権限はないような発言をし、自らの発言の矛盾を露呈する羽目に陥っていました。鬼頭氏の中止ができない発言を得て、住民側はすかさず
「市長を連れてこい」と怒号の嵐となります。多分にも昔の大学闘争のようなアジテートされる場面がありました。それを差し引いても住民の怒りのエネルギーはひしひしと感じました。 また、9時を回るころにはTV局と思われるカメラマンが撮影を行っていました(写真右下)。 |
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住民側からが何度も、26日の引渡しを中止し、説明責任を果たした上で、プラスティック処理施設建設計画を行うよう要請がありましたが、市の担当者は午後10時を回ったころ、会場の都合という理由で突然、説明不十分なまま退出しました。"懇談会”で何度も良識的な反対意見を述べ、出席者から圧倒的な支持と拍手を受けていたベルコリーヌ南大沢在住の大学教授が、最後に住民の気持ちを代弁して、今後の継続的反対運動を行うよう訴えました(右下写真)。その後、八王子市の大学教授も、今後有志でこの活動を進めていくように呼びかけていました。 | |
最後に町田市の市議会委員の2名(左下の新井議員と右下の佐藤議員)が登場して、たとえこの廃プラスチック処理施設の計画が進んでも、36名の市議会議員の半数(18名-注:そのうち1名は議長)がこの予算案の反対に回れば、事実上施設の継続が無理だという発言があり、住民側から拍手喝さいを得ていました。 |
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最後に、今回のいわゆる”懇談会”は、住民側の怒りが大きすぎたのか、または一部の住民側の戦略だったのか、町田市の説明はほとんどなされずに終わりました。結局、町田市も轄イ久間も26日の引渡しは実行するということだけが判明した説明会となりました。ある住民の指摘があったようにそもそもプラスティックの処理方法は圧縮だけが手法ではないし、方法も含めて近隣住民と最初から協議すれば、このような事態に発展しなかったでしょう。私も反対運動に署名しましたが、根本的には町田市の秘密裏に進めた建設計画に道義上の怒りを禁じ得ません。 追記:
プラ処理施設建設予定地である東京都の保有地は株式会社佐久間と都のあいだで売却契約が締結され、10月26日、先の町田市の説明会での予告どおり、佐久間から残金の支払いが行われたとのことです。詳しくはこちらで。 |